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[2] [3] 作家・池波正太郎のエッセイに、ウイスキーを飲む猫が登場する。 仕事を終えた池波氏がウイスキーを飲むとき、小皿に少量の水割りを入れてやると、 音もたてずに飲んでしまう、のだそうだ。 猫とウイスキーの関係は意外と深い。 ウイスキーやビールの原料となる大麦は、鼠や鳥の餌となる。 蒸留所ではその駆除のため、古くから猫を飼育してきた。 いわゆるウイスキー・キャット。 主にスコットランド地方でそう呼ばれ、大切にされてきた。 おそらく最も有名なウイスキー・キャットは、1772年創立の、スコットランドでも 最も歴史がある蒸留所の一つ、グレンタレット蒸留所で飼われていた「タウザー」だろう。 タウザーは、山猫のような風貌の、ワイルドで闘争心のありそうなかっこいい雌猫だったそうで、 頻繁にネズミを捕まえては、蒸留所の人の前までわざわざ持ってきたそうだ。 そこで、蒸留所の人はその数字を毎日記録することにした。 1987年3月20日にこの世を去るまでの24年間に捕まえたネズミの数、実に2万8,899匹。 この記録はギネスブックに載っているという。 グレンタレット蒸留所ではタウザーの死後、銅像をつくり、今もなおその功績を称えている。 またタウザーは、女王エリザベス2世と同じ誕生日であることでも有名で、 1986年にタウザー名義で送られた女王へのバースデーカードには、バッキンガム宮殿から 「誕生日おめでとう」と記された返事が送られたという。 女王陛下にバースデーカードを送ったのは、当たり前だが蒸留所の人たちだろう。 粋だ。 そして、女王陛下の返信も、粋でさすが、と思わせる振る舞いだと思う。 ところで池波氏は、ウイスキーを飲りながら、猫と何を話したのだろう? 想像だが、多分、池波氏は、家族にも話さないような「鬼平犯科帳」執筆の裏話、苦労話を猫に打ち明けていたに違いない。 猫好きだった池波氏のこと、それはきっと、間違いないだろうと思う。 EOS-1DMarkII・EF15mm
by norakko-nikki
| 2007-06-02 21:23
| 猫
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